どうも、井上FP事務所の井上遥介です。
投資を始める時には、何に投資をするのかを考えなければいけませんが、その中でも資産形成の強い味方になるのが『投資信託』です。投資をしたことがない人も投資信託という言葉を聞いたことはあるかもしれませんね。
この記事では、投資初心者や投資信託をよくわかっていない人のために解説します。
- 投資信託の仕組みがわかる
- 投資信託に必要な手数料がわかる
- 基準価格の意味が理解できる
- メリットとデメリットを理解できる
目次
投資信託とは?
僕たちが投資できる資産には、株や債券、不動産、金などがありますが、投資信託はそれらに投資する手段の1つだと思ってください。
投資信託を一言で説明すると「投資家からお金を集めて投資の専門家が運用して、その結果、投資金額に応じて投資家に損益が発生する商品」です。
わかりやすく説明しましょう。例えば、あなたがトヨタの株を購入したいと思うと一体どれくらいのお金が必要になると思いますか?
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正解は、約68万円です。(注:記事作成時)
結構必要ですよね。
この記事を書いているときのトヨタの株価は6,800円でした。じゃあ、6,800円で買えると思ってしまうんですけど、それが違うんです。
株式というのは、購入する時に何個セットで買ってくださいという決まりがあります。(これを”単元”といいます)
トヨタの場合、100単元と決まっているので、6,780円×100単元で67.8万円が必要ということになります。
ちなみに、ミニ株とかって言って1株で購入できる仕組みもあります。
この時に、あなたは1万円しか使えないとしたらトヨタの株を買うことができませんが、あなたと同じように1万円しか出せない人が68人いたらどうでしょうか?
1万円を持っている人が68人で、合計68万円あるので全員のお金を合わせるとトヨタの株を買えますよね。そして、68人がお金を出し合ってトヨタの株を買って、もし儲かったら68人で分け合えば問題ないですよね。
これが投資信託の考え方です。みんなでお金を出し合って共有するので、シェアする感覚に近いですよね。
運用はプロが行う
先ほどの説明の通り、投資信託はみんなでお金を出し合う仕組みでしたが、投資をするということは誰かが運用をしないといけません。
では、投資信託では誰が運用をするのかというと『お金を出した人』ではなく『運用のプロ』であるファンドマネージャーという人が運用をします。
イメージでいうとこんな感じです。
極端な話、あなたはお金を出すだけで運用の知識がなくても投資できるわけですね。
少額から投資が可能
投資できる金額ですが、さきほどは例えで1万円を使いましたが、投資信託を買うためには本当はどれくらい必要なのでしょうか?
実は、500円や1000円から始めることができます。
投資を始めるには100万円くらいのまとまったお金が必要と思う人も多いですが、投資信託だと毎月のお小遣いの中から始めてみる!みたいな感覚で、手軽に始めることができます。
投資先はたくさん
日本には投資信託は6000個以上ありますが、その中には株に投資をしている投資信託だけではなく、不動産に投資している投資信託(REIT)、金に投資している投資信託などたくさんあります。
投資信託と一言に言ってもいろんな投資先があるので、投資信託を使えば少ない資金であってもいろんな投資先に投資をすることが可能です。
メリット
なんとなく投資信託のイメージができたでしょうか?では、次は投資信託のいいところを見ていきましょう。
世界に投資ができるし、個人じゃ買いづらい株も買える
投資信託1つ目のメリットは、簡単に海外の会社などに投資ができる点です。
例えば、あなたがAppleやAmazonといったアメリカの会社の株が欲しいと思った時、どうやって購入するか考えてみましょう。
まず、アメリカの会社に投資をするから、円をドルに変える必要があります。
それから、証券会社で外国株を取引するための口座を開設して・・・
もう挫折しそうなくらいメンドくさそうですね・・・笑
でも、投資信託だとAppleもAmazonもGoogleなどの会社に投資できる投資信託があるので、それを買えばアメリカの会社などに投資が可能です。
もっというと、投資信託では南アフリカやインドとかも含めた全世界に投資することが可能です。
当然日本円で購入できますし、少額から買うことができるのが、投資信託のメリットです。
たった1つの商品で分散投資が可能
次のメリットは、投資信託一つで分散投資が可能だということです。
投資の世界には『一つのカゴに盛るな!』という格言があります。
例えば、卵を一つのカゴに入れていた場合、落としてしまうと全て割れてしまう可能性があります。しかしカゴを複数に分けて入れておけば、一つを落としても全て割れてしまう可能性は無くなりますよね。
この格言は、一つだけではなくいろんなものに分散投資することが大切だということを伝えています。
投資信託は、基本的にいろんな株式を組み合わせて運用されています。
例えば、日経平均に選ばれている225社に一つの投資信託で投資できますし、なんだったら世界数十カ国の色んな会社にたった一つの投資信託だけで分散投資もできます。
これは、投資信託の素晴らしい点ですね。
デメリット
次は、投資信託のデメリットを見ていきましょう。
手数料がかかる
株式の場合だと売買したときの手数料だけを支払えばいいのですが、投資信託には3種類の手数料が発生します。
購入時
購入時に手数料が発生する投資信託と発生しない投資信託があります。手数料が発生する際には、『購入時手数料』と書かれているので、それをチェックしてください。
最近では、ノーロードと言って購入時に手数料が発生しない投資信託が主流です。
保有時
投資信託は保有している期間ずっと手数料が発生します。これが株式と大きな違いですね。まぁ、ファンドマネージャーが代わりに運用してくれているので、それに対する報酬が必要だと考えてください。
この保有時に必要な手数料のことを信託報酬といいます。
この信託報酬は運用の結果に大きく関わってくる部分です。
例えば、ある投資信託が年利2%で運用できていたとしても、この信託報酬が1%取られたら当然残り1%の利益しか僕らに入ってきませんよね?
だから、信託報酬は低いほうが僕らにとっては良いということです。
最近では信託報酬が0.2%台の商品もあるので、一応の目安としては信託報酬0.5%が一つのラインかなーと思います。ただ0.5%を超えているから、ダメ!ってことでもないので注意してくださいね。
感覚としては、例えば日本の株式に投資をする投資信託の平均の信託報酬を見て、それ以上に高い信託報酬の投資信託に投資をしようと思うなら、『なぜ信託報酬が高いのか?』という疑問だけは持っておいてください。
売却時
売却時にも手数料が発生する投資信託とそうではない投資信託があります。これは、『信託財産留保額』という名称の手数料です。
株式を売り買いするには手数料が発生します。もし、あなたが日本の株式に投資している投資信託を100万円持っていて、それを売ることにしたとしましょう。
この場合、どうなっているかというとファンドマネージャーは投資信託で運用している株式を100万円分売って、あなたに100万円の現金を渡すわけです。
ということは、当然売却時に株式を売却する際の手数料が発生しますよね。これを『解約したあなたが払ってよね』というのが『信託財産留保額』です。
とはいえ、投資信託全体で見れば信託財産留保額を必要とする投資信託はそれほど多くはありません。
一応、あなたが投資信託を購入するときには信託財産留保額が必要かは確認しておくほうが良いですね。
こまめな売り買いができない
投資信託は1日の中でこまめに売り買いができないという特徴があります。
株式の場合、市場が空いている朝9時〜11時30分、12時30分〜15時の時間内であれば自由に売り買いができます。デイトレーダーと呼ばれる人たちは、この時間内で売り買いを行って利益を出しています。
株式などは秒単位で株価が変わっていて、朝9時に1000円だった株式も9時1分には1001円になっているわけです。だから、朝9時に1000円で買って9時1分に1001円で売って、1円の利益を得ることもできます。
しかし、投資信託にはそれができません。なぜか?
投資信託の値段は、1日おきに決まるからです。11月1日10000円、11月2日10020円・・・みたいなイメージです。なので、1日の中で値動きがないため、それができないという特徴があります。
ただ投資信託は基本的には長期投資に使われる事が多いので、1日の中で売買したいニーズはそれほどないと思うので、あんまり気にしなくてもいいと思います。
途中で投資信託が終了する可能性がある
投資信託によっては、運用の期間が定められている商品があります。この期間を『信託期間』といいますが、最初から10年で終了!とかって決まっているんですね。
これは資料に書いているので見ればわかるのですが、中には信託期間が無期限の投資信託でも突然終了することがあります。
なぜずっと続けるつもりだった投資信託が終了するのでしょうか?
それは、色んな理由があります。投資信託によっては資料に終了の条件が書かれていることもありますが、突然終了するのは、だいたい人気がなくなったときです。
投資信託は色んな人から集めたお金を使って株式などを購入しています。ということは、人気がなくってしまうと運用する資金が減っていきます。あまりに資金が少なくなりすぎると、株式などを売買する資金が不足し、続けることが困難になってしまうのです。
この預かっている資金を『純資産』と言いますが、あまりに純資産が少ないと突然終了するかもしれないのでチェックしておいてくださいね。
基準価格と口数
投資信託を購入する時に、多くの方が基準価格で混乱します。ただ一度理解しておけば大丈夫なので、ここで理解しておきましょう。
基準価格とは?
基準価格とは、投資信託の値段のことです。基準価格が3万円台もあれば5000円程度の投資信託も存在します。
投資信託は一番最初は10000円からスタートします。そこから投資対象の株式などが値上がりすれば、投資信託の値段も高くなっていきます。
この基準価格と購入金額で混乱する人が多いです。
例えば、基準価格20000円の投資信託を1万円分購入した場合で考えてみましょう。この投資信託を1つ買おうと思うと2万円が必要ですね。
1万円で買える口数は、2万円を1万円で割った0.5口です。
そして翌日基準価格が21000円になっていて、持っている0.5口を売った場合は、いくらになるかというと・・・
21000円×0.5口である10500円です。つまり、500円の儲けですね。
このように基準価格は、その時の時価であり、購入する時に按分されるから、購入するときの基準価格が高い安いというのは気にしなくてもいいということになります。
まとめ
投資信託の仕組みが理解できましたでしょうか?
基本的なことを理解しておくことで、この後の『選び方』とか種類の違いがわかってきます。
特に投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドの2つの種類があって、どっちを選べばいいかわからなくなります。この違いについては、違う記事を用意しているので、またそれで学んでくださいね。
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