こんにちは、井上FP事務所の井上です。
先日、ロボットアドバイザーサービスであるTHEOについて少し触れました。
今回はTHEOなどのようなロボアドバイザーと資産運用の結果の関係を考えてみたいと思います。
信託報酬を超える結果を出せるのか?
THEOは、サイトを見る限りETFを利用して運用をするそうです。
利用する通貨やETFの数は、1万を超えるとのことです。
気になる費用は、HPに1%と書いてあり、売買手数料、入出金手数料、為替手数料は負担しなくてもいいとのことです。
1%だったら安いじゃん。と思ったあなた!これには注意しないといけません!!
大々的に謳っている1%とは、投資一任報酬であって、それとは別でETFの信託報酬なども費用が必要になります。
簡単に言うと低コストETFを組み合わせてもらうのに、年間資産の1%を払わないといけないということです。
もちろん、信託報酬は必要ということですね。
1000万円預ければ、毎年10万円払うわけです。
自分で低コストETFを選んだ時よりも10万円以上の効果があるかは確約されていないので、あなたがロボアドバイザーをどこまで信用できるかによりますね。
[voice icon="https://www.fpinoue.com/wp-content/uploads/2015/05/nigaoemaker.png" name="井上FP" type="l"]THEOを取り上げるのは、ロボアドバイザーサービスの代表的な会社だからであって、私怨などは全くありません笑[/voice]以前の記事でもバンガードグループのバンガード®・トータル・ワールド・ストックETF(VT)と簡単に比較をしました。こちらは信託報酬は0.17%です。
こちらは海外ETFなので、信託報酬以外にも様々なコストがかかりますが、国内のインデックスファンドでも十分に低い信託報酬で全世界に投資可能です。
信託報酬の低いETFと比べて、費用の差以上にロボアドバイザーがいい結果を出してくれるのであれば、ロボアドバイザーの存在価値は十分にありそうです。
では、ロボアドバイザーはいい結果をもたらしてくれるのでしょうか?
正直言って、僕は難しいと思います。
多くのアクティブファンドが信託報酬や税金のせいでインデックスファンドに負けるのと同じように、ロボアドバイザーのサービスはインデックスファンドには勝てないのではないかと思います。
こればっかりは結果を見てみないとわからないのですが、事前にいいアクティブファンドを選ぶことができないのと一緒でロボアドバイザーというファンドマネジャーがいい結果を出すかは予知できないのです。
アクティブファンドがインデックスファンドに勝てないというのは結構有名な話ですが、どれくらい勝てないか知りたい人は、圧倒的データで証明!確定拠出年金の運用商品はこう選べ!を読んでください。
アクティブファンドに変わるのがロボアドバイザー
もし、ロボアドバイザーがインデックスファンドに勝てないのであればロボアドバイザーの存在価値はどこにあるのでしょうか?
個人的には、一部のアクティブファンドや銀行や証券会社で勧められる販売手数料がバカ高く、かつ信託報酬も高い投資信託にとってかわるのがTHEOのようなサービスでないかと思っています。
なぜ一部のアクティブファンドを除くのかというと、一部のファンドマネジャーは素晴らしい結果を出しているからです。
例えば、僕が尊敬しているひふみ投信の藤野さんです。
ひふみ投信は、素晴らしいパフォーマンスを出しており、インデックスブロガーからも認められる素晴らしいファンドです。
ひふみ投信は、上昇相場で勝つファンドではなく下げ相場でも大きく下げない特徴をもつファンドです。
上昇相場はインデックス並み、下げ相場はインデックスより下げないというイメージです。
どちらかというとディフェンシブな投資スタイルですね。
僕としては、理想的な運用です。
ちなみに、多くのイケイケなアクティブファンドは上げ相場でインデックスに大差をつける結果を出しますが、下げ相場で恐ろしく下げていき、いつの間にか消えていきます。
ひふみ投信のような素晴らしいファンドにもロボアドバイザーは勝てないと思います。
まぁ、負けてしまうとファンドマネジャーという仕事がなくなりますよね・・・
ロボアドバイザーはいいサービス
ここまで言いましたが、僕はロボアドバイザーは素晴らしいサービスだと思ってます。
ただ、投資家にとって最良の選択にはならないということです。
ロボアドバイザーを利用するのに適している人とは、
- 自分で考えることをしたくない人
- 銀行で毎月分配型を購入している人
だと思います。
この人たちにとっては、最高のサービスだと思うのでぜひTHEOには頑張ってほしいと思いますね。