医療保険に抱く幻想を捨てよ

医療保険に抱く幻想を捨てよ

こんにちは、井上FP事務所の井上です。

今朝TwitterでNIKKEI STYLEの記事が流れてきていて、ここに書いている内容が本当にそうだと思える内容でした。
そもそもの医療保険への考え方をしっかりと理解しておく方がいいと思うので、今回は医療保険の正しい現実を理解しておきましょう。

医療保険から多く受け取ることは難しい?

まずは、ある質問をしてみたいと思います。

あなたは月々3000円の医療保険を支払い、トータルで100万円の保険料を払うとします。

そして、この医療保険から将来的に受け取れる金額が100万円だとわかっていれば、あなたは医療保険に加入するでしょうか?

この質問に対して、NOと答えた人は「医療保険は払った分より多くもらえる可能性が高い」と思っているということになります。

NOと答えた人は、おそらく医療保険にさえ加入していれば、老後は安心というイメージを抱いているからだと思います。
僕も医療保険に対して漠然としたイメージだけで言えば加入していれば老後は救われるという気持ちを持っています。

しかし、医療保険は医療保険は払った分より多くもらえる可能性が低いとなれば、医療保険に加入して支払う保険料を貯金している方が将来にとっては良いこととなりますよね。

では、医療保険は僕たち加入者は払った保険料より多くの保険金を受け取ることは可能なのでしょうか?

保険会社の社員のお給料は僕たちの保険料

マイナス金利の影響で貯蓄性の保険は値上げへでもお話ししましたが、保険料は以下の3つをもとに決められています。

  1. 保険料を支払う確率
  2. 経費率
  3. 利率

1.保険料を支払う確率

そもそも保険会社は加入者に対して支払うであろう保険金を見積もっています。
それに応じた保険料を設定しています。
なので、この時点で極端にお得な商品はできにくいことがわかります。

2.経費率

さらに保険会社は保険を販売するために従業員を雇ったり、コマーシャルをしたり様々な経費をかけています。
これらも全て保険料に含まれてきます。

つまり、コマーシャル代などは加入者である僕たちが支払っているということになります。

3.利率

上の2つをもとにベースの保険料は決まりますが、保険会社もただ保険料を預かっているわけではなく、預かったお金の一部を運用しています。

ですので、この運用益部分は保険料を下げる要因となります。

計算式にすると、

保険料=保険料を支払う確率+経費率ー利率

このような形となります。

保険会社の従業員のお給料もあのおっきい保険会社の名前が入ったビルの費用も負担した上で支払う保険料で、これから受け取る保険金の方が大きいと思いますか?

60日型の医療保険はさらに厳しい

また、主流の60日型の医療保険であればさらに厳しいと言えます。

医療保険は180日ルールとって前回の病気で退院してから180日を経過しないと1回の入院と見なすルールがあります。

例えば、40日入院して120日後に40日入院したら60日型の医療保険で保障されるのは60日だけとなります。

このルールから大きな病気をしても60日型では最大60日の保障しかされないことが想定されます。

では、60日型の医療保険で5000円コースを選択していた場合どれくらい受け取ることができるでしょうか?

入院保障は30万円(5000円×60日)、手術給付は約10万円、合計40万円ほどかと思います。

[aside type=”normal”]手術給付の金額は保険会社によって、一律だったり手術の種類によって給付が異なったります[/aside]

30歳男性であれば、支払う保険料のトータルはだいたい100万円前後です。
これと180日ルールを合わせて考えると、人生の中で大きな病気で長期入院を3回しないと保険料より多くを受け取ることは難しいと言えます。

近年の入院日数の低下により平均入院30日という点を加味すると、3回入院するだけでは難しいかもしれませんが・・・

貯蓄の方がいい理由

人生で大きな病気に3回なるかどうかの考え方は人それぞれではありますが、医療保険でカバーできない保障として「介護」が挙げられます。

仮に老後の医療費が100万円であれば、医療保険に払う保険料を貯蓄していてもいいですよね。
こうなった場合、貯蓄の方が有利な点として流動性が挙げられます。

医療保険とは医療費にしか利用できませんが、貯蓄とは現金ですから何にだって使うことができます。
介護費用に充てることもできるし、長生きした時の生活費にも充てることができます。

老後のリスクは入院だけではないからこそ、医療保険ではなく貯蓄の方が優れているのではないでしょうか?

最後に、ぶっちゃけ僕の考え方というと保険会社は「株式会社」であって「非営利団体」ではありませんから、保険で得するみたいな考えはおかしいと思ってます。

あくまでも保険とは貯蓄ができるまでも「つなぎ」であり、一生寄り添うものではありません。
一生寄り添りそいたいのは保険会社の願いであり、いつまでの保険会社のいい顧客である必要はありません。

医療保険に対する幻想を一度捨てて数字を使って検証してみてはいかがでしょうか。

「元役者」という異例の経歴をもつファイナンシャルプランナー。
現在は役者時代に培った経験を生かし、講師業を中心に活動。200人以上の確定拠出年金の運用相談の実績がある。

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