- 運用を始める時に何から考えればいいかがわかる
- 運用する時に重要な考えがわかる
- 投資商品を選ぶ時に一番大切な基準がわかる
こんにちは、井上FP事務所の井上です。
確定拠出年金の運用を始める時に、いきなり商品ラインナップから商品を選ぼうとしてませんか?
会社が用意してくれた投資信託のラインナップは10〜20商品くらいですが、なんの基準もなく商品名だけで選ぶのは至難の技です。
投資信託を選ぶ時だけではなく、あなたが何かを選択する時には何かしらの判断基準が必要になりますよね?
今回は、投資信託を選ぶ際の判断基準をしっかりとお伝えします。
この記事を最後まで読めば、あなたは何を判断基準にして商品を選べばいいのかがわかるようになります。
確定拠出年金の制度をまだよくわかっていないという人は、先にサラリーマン必見!確定拠出年金とは?メリット・デメリットまとめを読むことをオススメします。
[kanren id="162"]どれくらいの利回りを望んでいますか?
確定拠出年金は自分の退職金を運用する制度なので、まずはどれくらいの利回り(利率と思ってもらってもいいです)で運用したいのかを考えてみましょう。
しっかりと運用をして退職金を多く増やしたいと思うのなら、年平均5〜7%くらいを望まないといけないかもしれません。
それほど多くは望まないけど、前の退職金制度(確定給付年金)の時くらいはほしいと思うなら、2〜3%くらいです。
どれくらいで運用したいのかを簡単に言い換えると、旅行する時に目的地をどこにするのかを考えるのと似ています。
行き先と乗り物を考えてみよう
あなたは旅行をする時に、まず何から考えますか?
移動手段を先に決めたりしないですよね?
まずはどこに行きたいか考えますよね。
飛行機で移動したいから飛行機で行けるところだと北海道あたりかな〜みたいな選び方はせず、ほとんどの場合、北海道に行きたいから飛行機で行こう!という流れで考えるはずです。
投資もそれと一緒です。
まずは目的地(目標額や目標利回り)を決めて、その後に移動手段(選択する商品など)を考える必要があります。
あまり難しく考えずに、感覚的に「銀行預金より多め」とかみたいにアバウトでいいので、少し考えてみてください。
乗り物は自分に合っているか?
なんとなく、自分が望む利回りのイメージはつかめましたか?
考えられたら、次に考えてほしいのは望む利回りについてくるリスクに自分が耐えられるかどうかです。
投資は元本の保全性はないので、お金が減ってしまう可能性があります。
そして、投資の大原則としてハイリスクハイリターンという考え方があります。
あなたが多くのリターンを望むのなら、多くのリスクを取らないといけないということですね。
さっきは、目的地を決めてくださいと言いました。
次は目的地までの移動に使う乗り物が自分に合っているかを考えてみてください。
例えば、大阪から北海道に行きたいとします。
この場合、一番早く行く方法は飛行機に乗っていく方法です。
でも、あなたは飛行機は落ちるかもしれないから飛行機に乗りたくないと考えている飛行機恐怖症だったとしましょう。
それでも飛行機に乗って北海道まで行くでしょうか?
きっと、行きませんよね。
移動時間が長くなってもいいので、乗り物を飛行機じゃなくて新幹線とかにするんじゃないでしょうか。
でも飛行機ではなく新幹線になると時間もかかります。
乗り換えも多いから新幹線で行くのは難しいかもしれません。
このように、飛行機だと行きやすい場所でも新幹線だと移動時間が長くなるので、旅行先を北海道じゃなくてもっと近場に変えるかもしれませんよね。
投資も同じです。
高いリターンを望んでいたけれども、そのために必要なリスクに自分が耐えられないのであればリターンを下げる必要があります。
このように自分がどれだけリスクに耐えられるのかをリスク許容度といいます。
投資を始める時は、
(1)どれだけのリターンを望むのか
(2)それについてくるリスクに自分は耐えられるか
この2つのバランスを考えておくことがすごく大切なんです。
また確定拠出年金は、入社してから退職するまで運用をしていくので、何十年と運用を続けていかないいけないため、確定拠出年金は長い目で見てあげないといけません。
運用しながらドキドキハラハラして仕事が手につかなくなってしまってはダメなので、どちらかというとリスク許容度を優先するということを覚えておいてください。
では、今からリスク許容度を考えてみましょう。
100万円がどれくらい減っても耐えられますか?
最悪のケースを考えておく
投資をしたことがなくても、世界大恐慌とかリーマンショックとかブレグジットなんていう言葉は聞いたことはあるかと思います。
いわゆる経済に大きな影響を与える出来事が発生した時、投資をしている人は大きなダメージを受けます。
確定拠出年金はさっきも言ったように、何十年と運用をしていくので運用している時にリーマンショックと同じような出来事が起こる可能性があります。
つまり、あなたが確定拠出年金を運用している時にリーマンショックのような出来事が起きるとあなたのお金は一時的にすごいスピードで減ってしまいます。
とはいえ、減ったお金が返ってこないということではなく、リーマンショックはアメリカにあるリーマンブラザーズという銀行が破綻したことがきっかけで経済危機になり、アメリカの株価は一時的に大きく減りましたが、今はリーマンショック前の株価以上になっています。
投資をしている以上、一時的にはお金が減ってしまう可能性があるんですね。
その時は誰もがめちゃめちゃ不安になります。
実際、リーマンショックの時に不安になった人は一番売ってはいけない時に株を売りました。
下の図を見てください。
(このように株価の動きを表すものをチャートと言います)

リーマンショック前後の株価の推移
上のチャートはリーマンショックのあとの日経平均株価です。
チャート上にも書き込みましたが、スマホだと小さくて見にくいと思うので説明すると、リーマンショック前は18000円くらいあった日経平均株価もリーマンショックの後はズルズル下がっていき、半分以下の7500円くらいまで下がりました。
そして、この一番低くなった時に諦めて投資を辞めた人が多かったのです。
しかし、時間はかかったものの株価は回復していき、リーマンショック前の株価水準まで回復していきました。
多くの人は一番低いところで売ってしまったので、大きな損失となりました。
でも、そこを乗り越えられれば、リーマンショックのダメージは最小で抑えることができたということですね。
株価とは、このように上がったり下がったりを繰り返しながら、経済が成長するのと同じように少しずつ上昇していきます。
なので、あなたが確定拠出年金を使って投資をしようと考えているのなら、最悪のケースを想定してその時いくらまでお金が減っても耐えられるかを考えておかないといけません。
そこであなたに質問です。
あなたは、100万円で投資をした時にいくらまでお金が減っても大丈夫ですか?
よーく考えてください。
ここが投資をする時に一番大切なところで、一番時間をかけて考えないといけないところです。
反対に言うと、ここをしっかり考えれれば、あとはそんなに時間も手間もかかりません。
まとめ
確定拠出年金は投資信託を使って運用をしていくのですが、まずは投資信託を選ぶ基準を自分で考えないといけません。
その時に判断基準となるのは、
- どれくらいのリターンを望むのか?
- 自分のリスク許容度はどれくらいか?
この2点です。
特に大切なのは、2.の「リスク許容度」ですので、さっきあなたに質問をした『100万円で投資をした時にいくらまでお金が減っても大丈夫ですか?』に対する答えをしっかりと持っておいてください。
次は、リスク許容度をもとに『あなただけの投資戦略』を考えていきましょう。
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