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確定拠出年金=退職金。知らないと損をする!?受け取り方と税金の関係

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こんにちは、井上FP事務所の井上です。

確定拠出年金は退職金制度ですが、退職した後はどうやって受け取れるか知ってますか?
知らない人は、この記事を読んで退職した後の受け取り方や税金の違いなどを完璧にマスターしてくださいね。

この記事を読むことであなたはこんなことがわかるようになります。

この記事を読むことで何がわかる?
  • 受け取り方の種類を知ることができる
  • 各受け取り方のメリット・デメリットを理解することができる
  • 受け取り方の税金の違いを例をもとに知ることができる
  • 自分にあった受け取り方法は、どれかがわかるようになる

では、確定拠出年金の退職した後について説明していきます。

受け取り方法は3種類

確定拠出年金は、働いている間は会社や自分がお金を積み立てて運用をしていますが、60歳の退職のタイミングでお金の積み立てができなくなります。

確定拠出年金は会社が用意している退職金制度ですから、60歳で退職したらついに退職金として受け取ることになります。また、60歳で絶対に受け取りをしないといけないわけではなく、最大70歳まで受け取らないという選択もできます。

受け取りを選択した時の受け取り方法は大きく分けると3つに分かれます。

一時金で受け取る

一時金

1つ目はすごくシンプルです。

貯まったお金を全額一時金で受け取る方法です。2000万円あれば、それを60歳の退職時点で全部受け取るわけですね。

では、一時金で受け取る時のメリット・デメリットはなんでしょうか?

一時金受け取りのメリット・デメリット

 メリット

一時金で受け取るメリットは、税金面で優遇されているということです。

退職金を受け取るときは、退職金は退職所得といって、退職金のためだけの税金の計算となります。

退職所得の計算式
(退職金額-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額

やばい、変な公式でてきた・・・と思ったあなた。数字を入れていくとめちゃめちゃ簡単ですから安心してください。

『退職金額』は、退職金の金額ですよね。

次に『退職所得控除』とはなんでしょうか?控除とは、言い換えると経費みたいなもんです。

例えば、魚屋さんが魚を売る時には魚を仕入れないといけないですよね。魚を50円で仕入れて100円で売ったら50円(100円ー50円)の儲けです。

退職金も同様に、あなたがその退職金を手にするための経費として一定額を差し引いていいというわけです。

でも、退職金のための経費なんて計算しようがありません。だから、退職金の控除(経費)は働いた年数で計算できるようになっています。

具体的には、こんな感じです。

勤続年数 控除額
20年以下 40万円×勤続年数
20年超 800万円+70万円×(勤続年数ー20年)

例えば、20年働いた会社を辞めたとしたら、退職金の控除は40万円×20年の800万円となります。38年働いていたら、20年超なので『800万円+70万円×(38年ー20年)』となり、2060万円となります。

この計算式を見るとわかるとおり、長い期間働いているほど控除の金額が多くなりますね。

ちなみに、20年2ヶ月とかだったら、どうなるのかというと・・・

この場合は21年とカウントします。繰上げして計算していいということですね。

これで計算ができるので、条件を見て計算してみましょう。

条件
退職金額 2500万円
勤続年数 38年

計算式に当てはめると、こうなります。

(2500万円-2060万円)×1/2=退職所得の金額

退職金額2500万円から控除2060万円を引いた440万円を所得にするわけではなくて、その金額を半分にするので220万円が退職所得となります。

220万円が退職所得となりましたが、あなたが知りたいのはいったい税金はどれくらいになるのか?ですよね。

220万円が税金となるわけではありません。この退職所得220万円に税率をかけたのが、税金となります。

税率の一覧表は、このとおりです。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 40% 2,796,000円

計算した退職所得は220万円でしたね。ということは、上の表で見ると税率は10%になりますよね。

そして、一番右側に『控除額』とまた控除があります。

この場合、計算式にすると・・・

220万円×10%ー9万7500円

こうなります。

これを計算すると、12万2500円となります。

これが税金です。具体的には所得税です

あなたが受け取っているお給料も毎月、「所得税」と「住民税」が引かれてますよね。

このケースの場合、退職金の所得税は、12万2500円ということです。

もうひとつの税金である住民税は税率が10%と一律なので、退職所得220万円の10%の22万円が税金となります。つまり、所得税が12万2500円、住民税が22万円、合計34万2500円が税金です。

仮に退職金が2500万円だったとしたら、一時金の手取り金額は2465万7500円(2500万円ー34万2500円)となるわけですね。2500万円に対して34万円強ですから、1%ちょっとしか税金を払わなくていいと考えると、かなり優遇されてますよね。

これが一時金で受け取った時のメリットです。

デメリット

一時金で受け取った時のデメリットは、受け取った金額以上に退職金が増えないということです。

後で紹介する受け取り方では、多少なり運用益が出るので退職金が増えますが、一時金はそれがないのが唯一のデメリットなのかもしれません。

ただ、受け取ってからNISAなどを利用して運用することもできます。もし、そう考えているのであれば、これもそれほどデメリットにもならないので、特にデメリットはないと言ってもいいと思います。

一時金受取はこんな人にオススメ

一時金受け取りを選択したほうがいいのは、60歳以降に住宅ローンが残っている人とかですね。

基本的に一時金で受け取りをする人の多くは、まとまったお金が必要な人が多いです。僕の相談経験では、一時金受け取りを選択している人は意外と少ないです。

保険商品により年金受け取り

保険で年金受け取り

2つ目は、生命保険などの年金タイプの保険として受け取る方法です。

具体的には、貯めたお金で保険商品を買います。例えば退職時に2000万円のお金があったら、それで『20年確定年金』とか『5年確定年金』とかの商品を買います。

会社によって、どんな商品があるかは微妙に違いますが、一般的にはこんな感じだと思います。

  1. 5年確定年金
  2. 10年確定年金
  3. 20年確定年金
  4. 終身年金

ここで出てくる「確定」とは、この期間は受け取りが確定しているという意味です。

例えば、『20年確定年金』だったら20年間の受け取りは確定している年金だということですね。仮にご主人が亡くなっても、奥さんが受け取り期間中は絶対に受け取れます。

受け取る権利が確定しているので確定年金といいます。もしかすると、あなたは5年確定年金より20年確定年金のほうがいいじゃんと思ったかもしれませんね。

ぱっと見ると、受け取り期間が長いほうが得に思えますが、これは単純に「濃く短く」するのか「薄く長く」するのかの違いです。

薄く短くか薄く長くか

簡単に言うと『100万円×20年』か『200万円×10年』の違いです。ただ、期間が長いほうが運用益が多くなるので、総受取額は多くなります。

保険商品のメリット・デメリット

メリット

保険商品を選択した場合、あなたのお金を保険会社が運用していることになるので一時金受け取りに比べて受取額が多くなります。

デメリット

一時金で受け取る時に比べて税金が多くなることです。高くなった税金より運用で増えるお金が多くなければ、シンプルに損になります。

では、税金の話は少し難しい部分もありますが、大切なことなので計算してみましょう。

年金形式でお金を受け取った場合、一時金で受け取った時とは違う税金の計算になります。

年金で受け取った場合は、一時金の受け取りのように一度だけ課税されるのではなく、毎年受け取るので毎年税金の計算が必要になります。

年金の税金は、どうやって計算するのでしょうか?

年金の控除は65歳未満と65歳以上で金額が違うのですが、今回は65歳以上の場合で計算します。

計算式は以下の通りです。

年金額×割合ー控除=年金所得の金額
  年金額 割合 控除
65歳以上 1,200,000円以下なら、所得金額はゼロとなります
1,200,001円から3,299,999円まで 100% 1,200,000円
3,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円

65歳未満を知りたい人は、No.1600 公的年金等の課税関係をご覧ください

例えば、年金額が1ヶ月あたり17万円(年額204万円)の人がいたとしましょう。

MEMO

ちなみに、厚生労働省がモデルケースにしている夫の年金額は1ヶ月あたり約17万円です

この場合、どんな計算になるかというと・・・

年金額が204万円ということは上から2列目の計算式を使うので

204万円×100%ー120万円=年金所得の金額

となるので、計算すると年金所得は84万円になりますよね。

これが税金の課税対象になるのではなく、ここから控除(正確には「所得控除」)を引くことができます。この控除が「基礎控除」と「配偶者控除」だけだったとしましょう。

  • 基礎控除とは・・・国民だれもが持っている控除です(38万円)
  • 配偶者控除とは・・・奥さんを扶養している人にある控除です(38万円)

これらを差し引くと、84万円ー76万円となり、8万円が課税対象となります。

そして、一時金受け取りの時にも出てきた税率の表を使って税金を計算します。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 40% 2,796,000円

195万円以下は5%なので、8万円×5%の4000円が所得税となるわけですね。

住民税の税率は10%なので、8万円×10%で8000円が住民税となります。

正確には住民税の控除額が違いますが、簡略化のため所得税と同じ計算とします。合計すると、年金が年間204万円の時は税金は1.2万円となるわけですね。これが年金の計算です。

では、ここから退職金を年金形式にした場合にどれだけ税金が増えるのかを見てみましょう。

こんなに税金が増えるの!?

年金を毎月17万円貰う人が、確定拠出年金で積み立てたお金を保険商品にして、毎月8万円ずつ受け取ることになったとしましょう。

すると毎月の年金額は25万円になりますよね。年額にすると、300万円です。

これでさっきと同じように計算をしてみましょう。公式は、以下の通りでした。

年金額×割合ー控除=年金所得の金額
  年金額 割合 控除
65歳以上 1,200,000円以下なら、所得金額はゼロとなります
1,200,001円から3,299,999円まで 100% 1,200,000円
3,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円

年金300万円の人の計算式は、こうなります。

300万円×100%ー120万円=180万円

そして、先ほどと同様に「基礎控除38万円」と「配偶者控除38万円」を差し引くと104万円(180万円ー76万円)となります。

最後は、これに税率をかけるんでしたね。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超 40% 2,796,000円

税率は5%なので、104万円×5%の5万2000円が所得税となります。

住民税は10%なので、104万円×10%の10万4000円となり、合計15万6000円となりますね。

確定拠出年金で積み立てたお金を毎月8万円ずつ受け取ることにより、年間の税金は1万2000円から15万6000円になりました。

ということは、税金が14万4000円も増えてますよね!!

確定拠出年金を保険商品にして受け取りをしたとしても、この場合1年あたり14万4000円以上の運用益が出ていないと損しちゃうということですよね?

これが保険商品で年金形式にした場合のデメリットです。

保険受取はこんな人にオススメ

一時金で受け取っても使い道もないし、毎月○万円といった形で受け取る方がいいと思う人、そして老後の運用はしたくないと思っている人にはオススメです。

確定拠出年金ではない普通の退職金は、一般的な企業は一時金でしか受け取れないのですが、大手企業などでは年金形式で受け取ることができます。

そんな大手企業に勤めている人は、ほとんどの人が保険商品で年金形式で受け取りを選択しています。お給料感覚で、毎月いくらと決まっている方が安心できると言われる方が多いですね。

運用しながら受け取り

運用しながら受け取り

3つ目の受け取り方法は、自分で運用しながら取り崩して運用していく方法です。

受け取り方は2つ目の保険商品と同様、年金形式で受け取りをします。具体的には『定額受け取り』と『定率受け取り』の2つがあります。

定額受け取りとは、毎年200万円ずつ・・・のように受け取り額を決める方法です。

定額受け取りの特徴は、毎年受け取る額が決まっているということです。定率受け取りとは、毎年、総資産額の○%ずつ受け取るという方法です。

2000万円の退職金があれば、3%ずつ受け取るとしたなら60万円(2000万円×3%)を受け取ります。次の年は、また資産額の3%・・・といった形で受け取るので、定率受け取りは、受け取る額が毎年変わります。

運用しているので資産額の増減もありますし、資産を取り崩しているので当然資産の額は減っていくので、その○%ずつであれば受取額も減りますよね。

ただし、定率受け取りは定額受け取りに比べて長い期間受け取れる可能性が高くなります

両方にメリットデメリットがありますが、それについては運用しながら受け取ることであなたの老後を救う!!確定拠出年金の出口戦略 でしっかりと検証をしていきます。

運用しながら受け取るメリット・デメリット

メリット

自分でリスク許容度を理解して今まで運用できていたのであれば、自分の資産を自分の考えで運用しながら取り崩すことができます。

保険商品を選択する場合、商品が決まっているので自分の考えを100%反映できません。

また保険商品の場合、債券中心の運用になるので運用益はそれほど望めませんので、リスクを取れる人は、自分で運用しながら取り崩す方が良い選択になります。

デメリット

保険商品と同様、毎年毎年受け取るのでその年ごとに税金がかかります。つまり、高くなった税金より運用で増えるお金が多くなければ、シンプルに損になるということですね。

運用しながら受取は、こんな人にオススメ

年金形式で受け取りたいけど、保険商品じゃなくて自分の考えに合わせて柔軟に運用したり、受取額を決めたいと思う人にオススメです。

個人的には、80歳くらいまで生きるとしても60歳から20年以上あるのに、60歳で運用を辞めてしまうのはもったいないと思います。

老後の大切な生活資金を運用するのは怖いと思う人は少なくありませんが、自分のリスク許容度に合わせて選択できれば最悪の場合の損失もそれほど不安にならずに済みます。

一時金と運用しながら受け取りなど同時選択可能

ミックス選択もできる

意外と知られていませんが、2000万円あったとしたら1000万円は一時金、1000万円は運用しながら受け取り・・・みたいにミックスした受け取り方法も可能です。

この場合、退職したら旅行したいし、住宅ローンも完済しておきたいと思っていたりすると、一部は一時金にしておいて、残りは老後の生活費だから年金受け取りにする、みたいな柔軟な選択が可能です。

この方法だと自分のライフプランや税金のことも考慮したベストな選択ができますね。

まとめ

正直、税金的には一時金受け取りが一番優遇されています。

しかし、一時金で受け取ると銀行からのセールスが始まります。そこで変な保険や投資信託を買わされて、めちゃめちゃ損した・・・なんて話は珍しくありません。

銀行が勧める投資信託とかは、購入手数料3.24%とかの商品もあるので、2000万円で買ったらそれだけで約65万円(2000万円×3.24%)ですからねσ^_^;

税金も大切ですが、まずは自分がどのように受け取りたいのかを軸にその中でベストを探しましょう。

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