保険を見直したいなら基本から学ぼう。プロが全部隠さず教えます

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「元役者」という異例の経歴をもつファイナンシャルプランナー。
現在は役者時代に培った経験を生かし、講師業を中心に活動。200人以上の確定拠出年金の運用相談の実績がある。
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あなたは生命保険に入っていますか?生命保険文化センターの調査によると日本人の約8割は何かしらの生命保険に加入しています。

この調査結果によると20代は約5割、30代は約8割、40代以降は9割弱の加入率となっています。実際に生命保険のCMを見ない日はないんじゃないかというくらいCMをやっていますし、なんとなく生命保険に入ることは当たり前のように感じますよね。

しかし、過去200人以上の保険相談を受けてきた経験から言わせてもらうと正しく保険に加入できている人は全体の約1割もいません。もっと言うと『なぜ保険に加入しているのか?』という質問にすら答えられない人がほとんどなのです。

この記事では、そんな保険の基本中の基本である考え方から説明し、最終的に自分で保険の要不要を判断できるようになるために必要な知識を全て包み隠すことなくお伝えします。

この記事を読むことで何がわかる?
  • 紀元前から続く保険の仕組みがわかる
  • 無駄のない保険にするための保険との上手な付き合い方がわかる
  • 保険と宝くじの共通点??
  • 資産形成において保険との付き合い方が重要だと知ることができる

保険に加入する目的は何か?

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では、さっそくですがあなたに質問です。

『そもそも保険に加入する目的はなんですか?』

正解はさておき、まずは自分の頭で考えてみましょう。自分の頭で考える習慣のない人ほど営業マンのそれらしい営業トークに乗せられてしまいます。

さぁ、考えましたか?

正解は『万が一の際に必要なお金を用意するため』です。どんな商品であれ、これだけは絶対です。

亡くなった時に受け取る保険は、死んだ後に残された家族が生活するお金を用意するため。
病気になって受け取る保険は、病気で入院した時に治療するお金を払うため。
介護のための保険もガンの保険も車の保険も家の保険も全部そうです。

確率は高くないけれども万が一そうなった時には大きなお金が必要だから保険に入ります。

つまり、保険に加入する目的は『万が一の際に必要なお金のため』であり、それを準備する手段が保険です。

ここが重要ですよ。

あくまでも目的は『お金を用意する』ということ、その手段として保険があるということです。

ここは絶対に覚えていてください。保険で失敗する人の共通する特徴は『保険に加入することが目的』になっています。

本当はいらないと思っているけど、同世代はみんな入っているし、自分だけ入っていないのは変だと思って保険に加入している人の目的は『お金を用意すること』ではなく『保険に入ること』です。

親戚や友人が保険の販売員をしていて頼まれて保険に加入している人も『保険に入ること』が目的です。

この人たちの目的は『万が一に備えてお金を用意する、かつ、保険料は安く!』という目的とはかけ離れた目的を持って保険に入っているので保険料が高いのはある意味仕方ないでしょう。

実際、こういう人は高確率で過剰な保険に加入しているし、無駄に高い保険料を払っています。でも、そもそもの目的が違うから、それは自分が望んでいるということです

あくまでも保険の一番の目的は『お金を用意すること』です。

ポイント1
保険はあくまでも手段の1つ、目的は『万が一の備え』

お金を用意する手段は”保険”だけなのか?

万が一の際に『お金を用意すること』が目的で、その手段が保険です。
では、その手段は保険だけなのでしょうか?

違いますね。万が一のお金があればいいのであれば単純にお金があればいいということですから、資産を持つということも手段の1つです。万が一の際に2000万円のお金が必要でも貯蓄が1億円あれば保険には入らないですよね。

この資産を持つ、つまり貯蓄で賄うという考えが保険で損をしないポイントになります。

では実際に考えてみましょう。

自動車事故を起こしてしまい、相手に対して賠償をしないといけなくなりました。この場合、必要となるお金はものすごく大きいです。

場合によっては億単位になることもあるでしょうし、これを貯蓄で払える人はまずいないでしょう。

つまり、保険の必要性は大です。

他にも自転車に乗っていて誰かにぶつかってしまった場合の賠償はどうでしょうか?過去に裁判で9000万円ほどの賠償しなさいと判決ができました。これも貯蓄では難しいですね。

これも保険の必要性は大です。

反対に軽いケガをして少しの入院と治療で100万円必要になった場合はどうでしょうか?この金額なら人によっては貯蓄で賄えそうですよね。

これは保険の必要性は小〜中です。

今3パターンをみましたが、場合によっては必要なお金の金額が違いますし、それに応じて保険の必要性は変わります。

つまり、万が一の際に必要なお金が大きいほど保険の必要性は高く、必要なお金が少なければ保険の必要性は低いということになります。

ポイント2
万が一の際に必要なお金が多いほど保険の必要性は高い

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保険は基本的に加入者にとって不利な商品だ

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ここまでポイントを2つお伝えしました。次に保険に加入する上で押さえておかないといけないことがあります。

それは、保険とは基本的に加入者にとって不利な商品だということです。

逆をイメージすると納得できるかもしれません。
もし、『保険は加入者にとって絶対に得できる商品』だとするとどうでしょうか?あってほしいですよねー絶対に得する保険(笑)

でも、そんな保険があるなら誰が売ってくれるのでしょうか?あなたが保険会社なら売れば売るほど損する商品です。売りたくないですね(笑)

しかし、残念ながら街にあるビル名を見れば保険会社の名前の入ったビルばっかりですし、どうやら保険会社はそれなりに儲かっているようです。

では保険会社がどのように保険料を決めているのかを見てみましょう。

保険会社はこうやって保険料を決めている

保険料を決める際に保険会社は3つのことを考えます。

  • 予定死亡率・・・どれくらいの人が亡くなるだろうか?
  • 予定事業費率・・・経費はどれくらいかかりそうか?
  • 予定利率・・・どれくらい運用で利益が出そうか?
予定死亡率とは?
過去の統計データを利用し、今年1年でどれくらいの人が亡くなるかを予想している確率です。加入者が亡くなると保険会社はお金を払わないといけないので、単純にいうとどれくらいお金を払う予定か?その確率ということです。
予定事業費率とは?
これは保険会社が運営するための経費です。持っているビルや人件費などの経費がどれくらいかかるのかを考えます。それをあなたが払う保険料に含ませているということです。
予定利率とは?
保険会社はあなたからお金を預かると経費などを差し引いた後のお金を運用しています。その運用でどれくらい利益が出る見込みがあるか?がこの部分です。

これらを元に保険会社は保険料を決めています。そして、結果的に思っていたより保険料を払わなかった!経費を使わなかった!という状態になれば、それが保険会社の利益になります。

つまり、みんなが出しあったお金から保険会社の経費などを差し引いて不幸があった人にお金を支払い、余ったら保険会社の儲けとなる仕組みになっています。

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実際の保険会社では『予定死亡率』や『予定事業費率』を甘く設定していることが多く、多めにもらった保険料の余りが利益の多くを占めています。

上のイラストを見るとわかる通り、保険会社の経費などが必ず引かれるので、残り何割かを不幸な人が受け取り、健康だった人は何も受け取らないというのが保険の仕組みです。

つまり、そもそもが得する仕組みになっていません。この仕組みはあなたもよく知っている”あれ”と同じ仕組みです。

そうです。宝くじです。

宝くじは『愚か者への税金』??

あなたは宝くじが『愚か者への税金』と呼ばれていることをご存知でしょうか?

宝くじは代金のうち、約55%が経費で内訳は広告費や自治体への交付金とされます。つまり、10人が1000円ずつ買って1万円を誰かが総取りするのではなく、経費を引かれた後の4500円を誰かもらうゲームです。

投資信託で言うと購入手数料が55%だということです。地獄ですね(笑)

ちなみに最近の投資信託の購入手数料は無料が主流です

手数料などのコストが大きいと、それだけ出した金額に対して儲けが多くなる確率は低いということになります。

投資と夢を買う宝くじを比較するのはナンセンスですが・・・

ちなみに宝くじの1位を当てるのは『自分が北海道にいるとして、北海道の上空から1円玉を落として、頭に当たる確率』と一緒らしいです。

参考サイト ジャンボ宝くじの1等当選確率は雷に撃たれるのと同じ!?-NAVERまとめ

それだけ確率の低い宝くじを好んで買うのは、好んで納税している(交付金などになるから)のと一緒だという意味で『愚か者への税金』と言われています。

保険は保険会社が最初に経費を引くので、そんな宝くじと保険の仕組みは一緒なんですね。宝くじと違って当たっても嬉しくありませんが・・・

つまり、保険も万が一のことがあったら大金を受け取ることができるが、受け取る可能性は限りなく低いということになります。

ポイント3
保険でお金を受け取る可能性は高くない

30代で亡くなる確率ってどれくらいなの?

では、実際に亡くなった時に加入する死亡保険を例に保険を受け取る確率を見てみましょう。

厚生労働省が調べた統計データを利用すると30歳〜34歳で亡くなった方の人数は平成27年度は10万人に対して3548人でした。35歳〜39歳は5403人です。

参照データ元 平成27年 人口動態統計月報年計(概数)の概況

確率でいうと30歳〜34歳で亡くなった人の確率は3.5%、35歳〜39歳だと5.4%です。

この確率を高いと感じるか低いと感じるかはあなた次第ですが、もし30代で死亡保険に加入していても、お金を受け取れる確率は年3〜5%しかありませんから、僕は決して高くはないと思います。

ただ勘違いして欲しくないのは、だからといって保険がいらないと言っているわけではありません。

確率は低いですが、子供のいるお父さんが亡くなれば残された奥さんや子供たちの生活に大きな影響があるので必ず加入するべきです。

ここで言いたいことは、事実として保険に加入している人のうち、ほとんどの人は保険金を受け取らないので多くの人にとっては掛け損になるということです。

ポイント4
保険は仕組み上、ほとんどの人は掛け損となる

 

貯蓄で対応できるなら、それが1番賢いやり方だ

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ここまでのポイントをおさらいしておきましょう。

ポイント1
保険はあくまでも手段の1つ、目的は『万が一の備え』
ポイント2
万が一の際に必要なお金が多いほど保険の必要性は高い
ポイント3
保険でお金を受け取る可能性は高くない
ポイント4
保険は仕組み上ほとんどの人は掛け損となる

これらポイントを簡潔にまとめるとこうなります。

『保険とは加入者にとって不利な商品だからできれば使いたくないが、万が一のことがあった時に貯蓄で対応できない部分は保険に加入しておかないとめちゃくちゃ困る(今っぽくいうと、人生終わる、詰む)から必要』ということです。

だから死亡保険はもちろんのこと、火災保険や自動車保険、個人賠償責任保険などといった万が一の時に大きなお金が必要となる保険は絶対に必要なんです。

逆に貯蓄で払えるくらいのことだったら、保険はいらないんです

保険で損をしている人の多くは、貯蓄で大丈夫なのに保険に加入するから損をするんです。

例えば万が一の時に100万円必要だとしてあなたはそれに備えて毎月5000円の保険に加入していたとしましょう。そして同時に貯蓄が100万円あったとしましょう。

この場合、理論的には保険は不要です。もし、保険をやめてしまえば毎月5000円は貯蓄できるので年6万円が貯蓄となります。そして万が一の時も100万円があるから貯蓄で支払い可能です。

年6万円の貯蓄ができれば17年で102万円の貯蓄になります。 万が一の時の100万円に受け取れる保険をやめることで17年後に100万円を自分の貯蓄として用意することができました。

何度も言いますが、17年の間に万が一のことがあっても100万円の貯蓄があるので心配ありません。

つまり、貯蓄があれば万が一の時は大丈夫だし、むしろ保険を辞めることで貯蓄は増えていきます。

この方法が使えるのは万が一の時に貯蓄があるからです。もし、貯蓄0の人がこの方法を取ってしまうと17年の間に万が一のことがあったらお金が払えないという状態になってしまいます。

ここが保険のポイントです。

ポイント5
保険はお金のない人ほど必要性が高く、お金のある人ほど必要性が低い

資産形成で重要なことは自分の使えるお金を手元に残すことです。あなたが本気で資産を増やしたいと思っているなら、いち早く貯蓄を貯めて不利な保険をやめて貯蓄対応することが大切です。

保険に加入する目的は万が一の時に必要なお金のためです。

これを保険で用意するということはたくさんの経費を使う保険会社にお任せをするということです。貯蓄で用意するということは経費は1円もかからず自分で対応するということです。

どっちの方が合理的、かつ効率的ですか?

もう言わなくてもわかりますね。

つまり、賢い保険との付き合い方はこうです。

貯蓄がない間は高い経費がかかっている保険だろうと止むを得ず保険に加入する必要がありますが、貯蓄が貯まれば自分でお金を払う、いわば『自分保険』を使うこと。

保険会社は慈善団体ではなく株式会社だ

ここまで読めば、上手な保険との付き合い方はもうわかったと思います。しかし、ここまで言っても納得されない人もいます。

僕は保険会社が嫌いでこんなことを言っているわけではなく、ただただ保険の仕組みを客観的に捉えて話をしているだけです。

それでも納得しない人がいるのは日本には保険神話があるからではないかと思います。日本人は土地の価値と保険を盲目的に信じている節があります。

土地神話はさておき、保険神話が作られたのはそれだけ保険業界のマーケティングが素晴らしいということです。

別記事で『死亡保険編』『医療保険編』として保険の考え方を書いていきますが、保険会社の中では”医療保険はドル箱保険”だと言われています。保険会社からするとめちゃめちゃ旨味のある商品だということです。

本来貯蓄で対応できる部分までを保険じゃないとダメなように思わせて加入者からたくさんの保険料をもらうという保険会社のマーケティングは大大大成功しました。

では、突然ですがあなたにクイズです。

昔の医療保険は入院したら○日以上入院したら1日○○○○円というお金を払っていました。しかし、最近の医療保険は入院したら1日目から1日○○○○円というお金を払ってくれます。

なぜでしょうか?

ではシンキングタイムです。マジで考えてみてください。

考えましたか?いろんな理由が考えられますね。

  • 『短期入院が主流になっているから』
  • 『○日入院するタイプだともらえるお金が少ないから』

こんなふうに考えたんじゃないでしょうか?

間違ってません。正解です!ただ同時にマーケティングの罠にもはまってます。

普通に考えてください。もし、7日以上でしか入院した時に1日○○○○円というお金がもらえないとしたら、お金がもらえない時は7日以内に退院しているんです。

だったら、自分で払うお金も限定的だと思いませんか?じゃあ、貯蓄で払える可能性って高いですよね?

何度も言いますが、保険会社がお金を多く払うということはそれだけあなたが毎月払う保険料が高くなるわけです。要らない保障があればあるだけあなたの保険料は高くなります。

つまり、貯蓄で対応できていた部分を入院1日目から受け取れるタイプにすることで保険料は高くなるから保険会社も嬉しい、加入者は1日目からお金を受け取れるから嬉しいという表面的にはwin-winですね。

でも、本当に加入者にとっていいことなのかは真剣に考える必要がありますし、それを『短期入院が〜』『1日目から受け取れるなんて魅力的!』と話をすり替えたのが保険業界の巧妙なマーケティングだと思います。

当たり前のことですが、保険会社というのは株式会社です。株式会社というのは常に利益を出すことが基本であり、利益が出るから株主に配当を出すんです。

儲けを出すために商品設計されているので、保険を盲目的に信じるのだけはやめましょう。

 

まとめ:正しい知識を持って正しく保険と付き合う

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では、最後にこれまでのポイントをおさらいしておきましょう。

ポイント1
保険はあくまでも手段の1つ、目的は『万が一の備え』
ポイント2
万が一の際に必要なお金が多いほど保険の必要性は高い
ポイント3
保険でお金を受け取る可能性は高くない
ポイント4
保険は仕組み上ほとんどの人は掛け損となる
ポイント5
保険はお金のない人ほど必要性が高く、お金のある人ほど必要性が低い

この5つのポイントは、『どの保険が〜』ではなく保険の仕組みの話です。保険の歴史は紀元前から始まりますが原理、仕組みは現代まで不変です。この仕組みは、おそらくあなたが死ぬまで変わることはないでしょう。

毎月入ってくるお金は最終的に『他人のためにお金を使う』か『自分のためにお金を使う』の2つに分かれます。

資産形成が上手な人は少しでも自分のためにお金を使おうとします。保険は保険会社のためにお金を使っていますから、できるだけそこを減らして自分のために使おうとしています。

あなたが自分のために使えるお金を増やしたいなら保険について正しい知識をつけて、正しく保険と付き合いましょう。

「元役者」という異例の経歴をもつファイナンシャルプランナー。
現在は役者時代に培った経験を生かし、講師業を中心に活動。200人以上の確定拠出年金の運用相談の実績がある。

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