2年分の生活費があれば、医療保険は不要になる?

昨日の運用で結果を出すための「生活防衛資金」の大切さを知ろうにて、運用するためには生活費の6ヶ月から2年分を手元に残しておきましょうとお伝えしました。
実は、2年分の生活費を確保することができれば、医療保険の必要性はグッと下がります。
保険はなぜ必要?
保険は突発的な出来事に備えてお金の不安があるから用意します。
つまり、突発的な出来事に備えてお金を保有している人は保険はいらないわけです。
死亡保険であれば、自分が死んだ後の遺族の生活費が貯蓄と遺族年金で足りるのであれば保険はいらないですね。
では、医療保険はどれくらいあればいらないと判断できるのでしょうか?
1入院あたりの費用について確認してみましょう。
多く見積もって約250万円
では、自分が病気になったとして、半年は入院治療、半年は通院治療したとしましょう。
毎月の医療費については高額療養費制度のおかげで100万円の治療費でも9万円弱に収まります。
また、4ヶ月目からは44,400円が上限となります。
つまり、1年間治療が続いても約72万円で治療できます。
[aside type=”normal”]高額療養費制度については・・・高額療養費制度を利用される皆さまへ – 厚生労働省[/aside]
続いて入院費用ですが、入院費用は1日1万円必要になったとしましょう。
半年間入院するため、約180万円です。
1年間の治療費72万円と半年間の入院費180万円の合計で約252万円です。
例えば、生活費が20万円の人であれば2年分の生活費で480万円を保有していることになるので、2年分の生活費を常に保有することが可能であれば、医療保険がなくても対応出来ることになります。
実際はそんなに医療費はかからない
先ほどの例はかなり大げさな費用を挙げましたが、実際にはそんなにも入院することは稀です。
厚生労働省の調査では、平均入院日数は30日前後です。
入院費用も差額ベットが代表的な費用ですが、平均は5800円くらいですので1万円も必要ないと言えます。
[voice icon=”https://www.fpinoue.com/wp-content/uploads/2015/05/nigaoemaker.png” name=”井上FP” type=”l”]食事代1食300円×3食も費用に入れる方もいますが、入院していなくても食事代は必要です。むしろ、入院している方がお酒も飲まずデザートも食べず、お金を使わないのではないでしょうか?笑[/voice]
つまり、1ヶ月の治療費9万円と入院費用18万円(6000円×30日)の合計27万円ほどが、1つの病気あたりの費用と考えられます。
これを踏まえると、生活費の2年分を常にキープできる場合は医療保険は不要と言えます。
保険の仕組みを理解しよう
保険とは、そもそも保険会社が儲かる仕組みになっています。
保険会社は慈善事業をやっているのではなく、商売をしており、従業員にもお給料を払わないといけないわけです。
利益が見込めるから、保険を販売するのです。
これを理解できると保険とは、一般的には払った保険料以上に保険金を受け取る確率は低いと考えられますね。
また、一般的な医療保険は掛け捨てですから、加入者は自分の不健康さに賭けをしているとも言えます。
つまり保険とは、みんなで集めた資金をみんなで取り合う仕組みとなっており、病気になりがちな人が得しますが、参加者の多くは健康者ですから多くの人は損する仕組みとなっています。
これは保険会社や病気がちな人を非難しているわけではなく、事実として言っています。
以上をまとめると、健康者が得をしようと思えばゲームに参加しないことが唯一の勝利条件に見えます。
このゲームに参加しなくて済むのは、手元にお金を持っている人です。
投資を始める理由は資産形成でしょうから、自分の資金をより有利に使うためにも生活費の2年分をいち早く貯めて自由に使えるお金を用意することが重要となります。